シュッツ相対論入門を一時間読んだ。
17ページまで進んだ。
松田卓也、二間瀬敏史「なっとくする相対性理論」1996年、講談社
を眺め終えた。
前半の特殊相対論は松田氏
後半の一般相対論は二間瀬氏
が執筆している。
同じレベルの2冊の本をくっつけたような印象を受ける。
一般書よりも数式を使っているが、
普通の教科書よりも数式は易しめというレベルの本。
大学2年生ぐらいならば読めると思う。
夏休みとかに気晴らしとして読む本な気がする。
二間瀬氏は本書の原稿を読んでくれた学生のことを
あまり物理を理解していないとおちょくっているが、
ググると何人かは研究者として活躍しているようである。
二間瀬敏史「なっとくする宇宙論」、1998年、講談社
を眺め終えた。
数学的にやさしい宇宙論の一つ。
すこしだけ数式を使うことで、
一般書よりも深く理解できる。
通常の教科書としては物足りないが
専門的な内容の多くを求めない人にとっては悪くない本だと思う。
大学1,2年生程度の数学の知識で十分読める。
しかし、私は応用する前に基礎的な物理
を理解すべきだと信じているので、
一般相対論の半年の入門講義を受けたり、
一般相対論の入門書を読破した後に
読み始めるべきだと思う。
著者は一般相対論や宇宙論の研究者で、
たくさんの本を書いている。
須藤靖「ダークマターと銀河宇宙」1993年、丸善株式会社
を読み終えた。
本書は天文の理論の人が書いた天文の理論の本である。
おそらくこの30年間で
ダークマターについては大して進展がなかったと思うが
銀河についてはある程度進展があったかもしれないので、
知識をアップデートした方がよいかもしれない。
宇宙論では加速膨張が見つかったので、宇宙論の知識もアップデートした方がよい。
小玉氏のダークマターの本と比べてあまりにも雰囲気が違うが
天文的なアプローチと素粒子論宇宙論的なアプローチの違いである。
自分のアプローチの選択は趣味の問題なので
研究室を選ぶ学生は興味のある研究対象だけでなく
興味のあるアプローチを見極める必要がある。
このような本を研究室に配属される前に読んでおくことは有益だと思う。
配属された研究室のアプローチが自分に合わないと思った場合は
研究室内で戦わずに、
卒論や修論をとりあえず仕上げて、
別の研究室に移る方が良いだろう。
小玉英雄「宇宙のダークマター」サイエンス社、1992年
を眺め終えた。
数理科学の連載をまとめた本。
ダークマターは未知の素粒子で説明できるだろうという
アプローチに基づいている。
著者のウェブサイト
に書いてあるように相対論的宇宙論の摂動や高次元ブラックホール摂動の研究で有名。
日本の一般相対論の教科書を読んでいると
小玉さんにお世話になったという記述を見かける。
小玉さんの本は数理的な側面が強くて
私にはつらいが、
雑誌の連載であったためか、
本書は比較的楽に読める。
おそらく、研究室を選ぶときに
宇宙論とか素粒子とか天文学に興味がある人が
眺めてみると良いと思う。
30年前の本である。
30年間でダークマターの理解は
たいして進歩していないはずなので
ダークマターに関してブレイクスルーが起きるまでは
本書はダークマターの素粒子的宇宙論アプローチの概観を
理解するために有益であると思う。
宇宙論では加速膨張が見つかったので、宇宙論の知識はアップデートした方がよい。
海部宣男「望遠鏡」2005年、岩波書店
を読み終えた。
望遠鏡の入門的な内容について、についてコンパクトにまとまった小さい本。
これくらいならば、私のような天文観測のことを何も知らない人でも最後まで読み切れる。
岡村定矩他編集「人類の住む宇宙 (シリーズ現代の天文学 第1巻)」2007年、日本評論社
を眺め終えた。
シリーズ現代の天文学の第1巻である本書は
天文学の入門的な内容を扱っている。
好きな時に読み始めればよい本だと思う。
出版された当時から
私は「シリーズ現代の天文学」を
大変読みづらいと感じている。
学生の時に読んだときは、
自分の知識が乏しいから
読めていないのだと感じていた。
しかし、改めて読んでみると
読みづらさは
かなりの数の専門家が分担して書いていることに起因している
と感じる。
このシリーズでは
それぞれの専門家が担当部分を好き勝手に書いている。
専門家は著作に自身の好みを強く出す。
読みやすく編集できるわけがない。
普段、高校レベルの物理なんて振り返らないが
諸事情で高校物理の熱の問題を解く羽目になり、
一時間ほど高校物理の本やウェブの記事を見て過ごした。
高校物理の熱は難しい。
教科書や参考書は
つながりが明確でない現象の集まりのようで、
ネットで検索した記事は怪しげな記述であふれており、
どこから手を付けていいのかわからない
と感じた。
そんな印象なので、
解く羽目になった問題についても
「作問者もよく理解できてないよね?」
と感じている。
個人的には
大学の物理の教科書の方が、ましである。
柴田大「一般相対論の世界を探る」2007年、東京大学出版会
を眺め終えた。
中性子星連星の合体や
ブラックホール連星の合体による重力波放射を
いくつかのグループが計算できるようになった時期の
成果をまとめた重力波と数値相対論の教科書。
1章はコンパクト天体についての優れたレビューになっている。
2章は重力波天文学の短いレビューであり、
3章では一般相対論の教科書で見るような重力波の理論が紹介される。
4章では主に重力波発生のシナリオを紹介し、データ解析にも触れている。
5章から7章で数値相対論のための定式化、テクニック、シミュレーション結果が述べられる。
一般相対論の教科書を一冊読んだことがあり、
重力波と数値相対論について知りたい読者は
スムーズに読むことができると思う。
一般相対論を習ったことがある
大学4年生ならば読むことができると思う。
後半からテーマは中性子星の連星に絞られる。
これは著者の柴田氏の研究に沿ったものだからであろう。
本書の後の柴田氏の研究は
柴田氏や共同研究者が書いた記事を探せば
日本語で読むこともできる。
嶺重慎「ブラックホール天文学」、2016年、日本評論社
を眺め終えた。
本書では天体としてのブラックホールを議論しているが、
主役はブラックホールの周りで光る降着円盤である。
アインシュタイン方程式のブラックホール解の性質を調べるのではなく、
ブラックホール周辺のガスの運動方程式の解の性質を調べる
アプローチが取られている。
私には天文学の徹底した教育を受けていないために
天文学とはかくあるべしという心構えが身についていないが
いかにも天文学っぽい話の進め方な気がする。
この本を読むためには
・大学3年生までの物理
・半年程度の一般相対論の入門的内容
・本書で触れられる程度のKerr解の性質
・本書で触れられる程度の天文学の素養
を知っておくとよい。
大学4年生から読み始められると思う。
佐々木節「一般相対論」産業図書,1996年,
を読み終えた。
黒田和明氏による物理学会誌での書評へのリンク
佐々木 節, 一般相対論, 産業図書, 東京, 1996, vi+188p., 21×15cm, 2,575円 (物理学教科書シリーズ) [学部向]
を貼っておく。
著者の佐々木節氏は相対論的宇宙論の論文で有名な研究者である。
他の一般相対論の入門書と同様、
3,4年生で読めるレベルの本である。
数理物理的な書き方ではなく
標準的な理論物理の学生が好む方で書かれている。
扱っている内容と説明の順番は標準的であり、
最初の数章で数学的準備をした後に
アインシュタイン方程式が出てきて、
物理を考える構成になっている。
本書に限らず、
多くの一般相対論の標準的な教科書
にあてはまることだが
物理に興味のある初学者は
物理にたどり着く前に撃沈する可能性が高い。
本書で扱われている発展的な話題を挙げると
定曲率空間のトーラス的コンパクト化や
カントフスキー・ザックス型宇宙
などがある。
これらは専門家は知っておくべきことなのかもしれないが、
他の一般相対論の入門書と比べると
ディープな話題である。
Kerr解やペンローズ図は出てこない。
この本の優れたところは、
基本的な内容と発展的な内容が
コンパクトにまとまっていることである。
初学者にとって本書の厄介なポイントは
標準的な内容を説明している最中に
発展的な内容がさりげなく一緒に説明されることである。
初学者は撃沈するかもしれない。