2021年1月9日土曜日

佐々木一般相対論を読み終えた

佐々木節「一般相対論」産業図書,1996年,

を読み終えた。


黒田和明氏による物理学会誌での書評へのリンク

佐々木 節, 一般相対論, 産業図書, 東京, 1996, vi+188p., 21×15cm, 2,575円 (物理学教科書シリーズ) [学部向]

を貼っておく。


著者の佐々木節氏は相対論的宇宙論の論文で有名な研究者である。

他の一般相対論の入門書と同様、

3,4年生で読めるレベルの本である。

数理物理的な書き方ではなく

標準的な理論物理の学生が好む方で書かれている。


扱っている内容と説明の順番は標準的であり、

最初の数章で数学的準備をした後に

アインシュタイン方程式が出てきて、

物理を考える構成になっている。

本書に限らず、

多くの一般相対論の標準的な教科書

にあてはまることだが

物理に興味のある初学者は

物理にたどり着く前に撃沈する可能性が高い。


本書で扱われている発展的な話題を挙げると

定曲率空間のトーラス的コンパクト化や

カントフスキー・ザックス型宇宙

などがある。

これらは専門家は知っておくべきことなのかもしれないが、

他の一般相対論の入門書と比べると

ディープな話題である。

Kerr解やペンローズ図は出てこない。


この本の優れたところは、

基本的な内容と発展的な内容が

コンパクトにまとまっていることである。


初学者にとって本書の厄介なポイントは

標準的な内容を説明している最中に

発展的な内容がさりげなく一緒に説明されることである。

初学者は撃沈するかもしれない。