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2025年9月10日水曜日

アシモフ「科学発見シリーズ2 数字ってなに?」を読んだ

アイザック・アシモフ、(監訳)竹内均 「科学発見シリーズ2 数字ってなに?」教育社、1982年
を読んだ。
数字についての易しい数学史絵本。良い。

2025年9月5日金曜日

アシモフ「科学発見シリーズ1 地球は丸い?」を読んだ

アイザック・アシモフ、(監訳)竹内均 「科学発見シリーズ1 地球は丸い?」教育社、1982年
を読んだ。
地球が丸いことについての易しい科学史絵本。良い。

2025年8月30日土曜日

平見ムラタ「科学史のヒーローたち10 アルフレッド・ウェゲナー」を読んだ

(著)平見修二(絵)ムラタユキトシ「科学史のヒーローたち10 アルフレッド・ウェゲナー」リブリオ出版、1994年
を読んだ。大陸移動説を唱えたウェゲナーの伝記絵本である。なかなかのよい人物の選択であり、ウェゲナーのスカッとする研究は万人受けすると思う。言われてみるとウェゲナーの研究成果は色々な分野の基礎となるもので、科学史に名を遺す科学者の中でもかなりの偉大さである。

2025年8月25日月曜日

平見境木「科学史のヒーローたち9 ライト兄弟」を読んだ

(著)平見修二(絵)境木康雄「科学史のヒーローたち9 ライト兄弟」リブリオ出版、1994年
を読んだ。ライト兄弟の伝記絵本。ライト兄弟が科学史の英雄とは思わないが、本業は自転車屋であることなど知らないことが多く、なかなか面白い。

2025年8月20日水曜日

平見土屋「科学史のヒーローたち8 マゼラン」を読んだ

(著)平見修二(絵)土屋ヒデル「科学史のヒーローたち8 マゼラン」リブリオ出版、1994年
を読んだ。マゼランの伝記絵本。このシリーズにコロンブスとマゼランを続けて入れるのは、さすがに蛮勇だと思う。マゼランの航海は世界史では重要かもしれないが、マゼランは科学史の英雄とは言えないだろう。

2025年8月15日金曜日

ヘルマン「プランクの生涯」を読んだ

A・ヘルマン著、生井沢寛・林憲二訳「プランクの生涯」東京図書、1977年
を読んだ。

本書はマックス・プランクの伝記である。原書は1973年、ドイツのローヴォルト出版で出版された。プランクは古典物理学が完成した一方で、現代物理学がまだ生まれる前の1879年に21歳で博士号を取った。翌1880年にミュンヘンで私講師の許可を得た。私講師は名誉ある地位だったが、無給であった。プランクは5年間も無給の私講師として親のもとで暮らした。アシャフェンブルグの林間学校からのオファーがあったが、物理学者として孤立することを恐れて、見送った。1885年にキール大学の員外教授となり経済的な基盤を得て、結婚を待たせていたマリー・メルクと1887年に結婚した。

プランクは熱輻射の研究を1894年に始め、1889年にプランク定数の発見、1900年にはプランクの輻射の法則を発表した。これはプランクが量子論を創始したともいえる業績であった。ここまで50ページであり、あっという間である。残りの150ページは物理学者プランクの晩年についての記述といってよいだろう。このプランクの伝記は量子力学の発見に関わった多くの物理学者と全く異なっていて、異常なほどに晩年の記述が長い。輻射の法則の発表後、プランクはドイツの物理学の発展のために重職を務め、若い世代によって作られていった量子論と量子力学を良く勉強し、教育を行った。また、プライベートでは妻のマリーや娘や息子との死別があった。息子のエルヴィンはヒットラーに対する陰謀の関係者として処刑されている。プランクは第二次世界大戦中にアメリカに亡命するには年老いすぎていたために、ドイツに留まった。晩年についても読むに値する出来事が記されていると思う。

2025年8月10日日曜日

平見村松「科学史のヒーローたち7 コロンブス」を読んだ

(著)平見修二(絵)村松雅一「科学史のヒーローたち7 コロンブス」リブリオ出版、1994年
を読んだ。コロンブスの伝記絵本。もうコロンブスを英雄と見做す時代ではないし、そもそも科学史の英雄とは思われていないと思う。

2025年8月5日火曜日

平見村松「科学史のヒーローたち6 ルイ・パスツール」を読んだ

(著)平見修二(絵)村松雅一「科学史のヒーローたち6 ルイ・パスツール」リブリオ出版、1994年
を読んだ。パスツールの伝記絵本。教科書で一行書かれただけではパスツールのすごさは分からなかったが、背景がわかって、なかなか面白い。

2025年7月30日水曜日

平見佐分「科学史のヒーローたち5 チャールズ・ダーウィン」を読んだ

(著)平見修二(絵)佐分優「科学史のヒーローたち5 チャールズ・ダーウィン」リブリオ出版、1994年
を読んだ。
進化論で有名なダーウィンの伝記絵本。進化論を提案したこと以外にダーウィンについて知らない場合はこの本は非常に良いと思う。

2025年7月25日金曜日

平見境木「科学史のヒーローたち4 ジェームズ・ワット」を読んだ

(著)平見修二(絵)境木康雄「科学史のヒーローたち4 ジェームズ・ワット」リブリオ出版、1994年
を読んだ。
ワットの伝記絵本。ワットの名は誰もが知っているが、どんな人物で、何をしたのかは知らなかった。ワットを選択したのは良い選択だと思う。


2025年7月20日日曜日

平見佐分「科学史のヒーローたち3 ウィリアム・ハーベイ」を読んだ

(著)平見修二(絵)佐分優「科学史のヒーローたち3 ウィリアム・ハーベイ」リブリオ出版、1994年
を読んだ。
医学、解剖学の偉人ハーベイの伝記絵本。私にはハーベイがこのシリーズに妥当なのか分からないが、私には本格的なハーベイの伝記を読む機会はなさそうなので、丁度よいのだろう。

2025年7月15日火曜日

藤原「父の威厳 数学者の意地」を読んだ

藤原正彦「父の威厳 数学者の意地」1994年、新潮社
を読んだ。

1991年に講談社で出版された「父の威厳」に15編のエッセイが追記された、数学者でエッセイエストの藤原氏のエッセイ集。個人的にフェルマー予想を解決したワイルズが燃え尽きたことについてのエッセイが心に残った。

法学者、弁護士、エッセイエストの阿川尚之氏の解説がついている。阿川氏は藤原氏がアメリカの合理性を批判しつつも、行っていることはアメリカ的であることを鋭くしている。



2025年7月10日木曜日

平見久世「科学史のヒーローたち2 ガリレオ・ガリレイ」を読んだ

(著)平見修二(絵)久世アキ子「科学史のヒーローたち2 ガリレオ・ガリレイ」リブリオ出版、1994年
を読んだ。
実験や天文観測に基づいた論証を行いイタリアから当時のヨーロッパに大きな影響を与え、近代科学の父とも言われるガリレオの伝記絵本。妥当な選択であろう。良い本である。

2025年7月5日土曜日

平見三善「科学史のヒーローたち1 チコ・ブラーエ」を読んだ

(著)平見修二(絵)三善和彦「科学史のヒーローたち1 チコ・ブラーエ」リブリオ出版、1994年
を読んだ。
天文学者ブラーヘの伝記。絵本であるが、見事な出来である。シリーズの一つ目にブラーヘを選ぶのも非常に良い。

2025年6月15日日曜日

藤原正彦「管見妄語 とんでもない奴」を読んだ

藤原正彦「管見妄語 とんでもない奴」、2014年、新潮社
を読んだ。

週刊新潮で連載された数学者である藤原正彦氏によるエッセイ集。数学や数学者の話はあまりない。時代錯誤な考えが満載な記述もところどころあるけれども、正真正銘のご老人によるエッセイなので、あまり気にしないようにして楽しむと良いだろう。私のお気に入りとしては、藤原家とゆかりのある人たちについて書かれている「偶然の紡いだ人の鎖」を挙げておく。ちなみに、藤原正彦氏の父親は大河ドラマ武田信玄の原作小説を書き、直木賞作家でもあるの小説家の新田次郎氏である。新田次郎氏の本名は藤原寛人であり、本職は中央気象台(現在の気象庁)に勤めた気象学者である。母親は作家として知られる藤原ていである。大叔父には気象学者の藤原咲平氏がいる。ちなみに当時は気象学や地球物理学は物理学の一部とみなされていたため、藤原咲平氏は理論物理学科出身である。従伯父に実業家の牛山清人、従伯父の妻にメイ牛山がいる。藤原正彦氏の妻は心理学者・エッセイストの藤原美子氏である。12歳年下のお茶の水大学の学生だった美子氏に教員だった藤原正彦氏が一目ぼれしたとのこと。藤原美子氏の父親は化学者の田丸謙二氏、姉は化学者の大山秀子氏、姉の夫は化学者の大山茂生氏、祖父は化学者の田丸節郎氏、大伯父は物理学者の田丸卓郎氏となっている。藤原咲平氏は田丸卓郎氏から指導を受けたこともある。これだけ人脈があるのだから、藤原氏が誰と知り合いでも驚くには値しないと私は思う。藤原氏が「偶然」と見做していることが腑に落ちない。どれだけ過去をたどってもそれらしい親族が出てきそうもない私のような凡人が学問を志すことは、武士の血を引く学者一族に生まれた人々と比べて、ハードモードすぎるとしみじみ感じられた。

2025年5月15日木曜日

藤原正彦「管見妄語 始末に困る人」を読んだ

藤原正彦「管見妄語 始末に困る人」、2011年、新潮社
を読んだ。

数学者である藤原正彦氏による週刊新潮に連載されたエッセイ集。数学や数学者の話は少ない。私のお気に入りとしては、毎週エッセイを書くためにネタを見つけることに苦労していて、書き上げるために2,3日かかることを説明している「はじめに」を挙げておく。

2025年4月15日火曜日

藤原正彦「管見妄語 大いなる暗愚」を読んだ

藤原正彦「管見妄語 大いなる暗愚」、2010年、新潮社
を読んだ。

数学者の藤原正彦氏の週刊新潮に連載されたエッセイ。数学や数学者の話は少ないので、それをあまり期待してはいけない。藤原氏やご家族のことを知ることを楽しめれば、楽しく読めるだろう。私のお気に入りとしては、フェルマーの最終定理を証明することで数学者として燃え尽きたワイルズらについて書いた「天才の寿命」を挙げておく。

2025年2月15日土曜日

小田「X線天文学 : X線星からブラックホールへ」を読んだ

小田稔「X線天文学 : X線星からブラックホールへ」中央公論社、1975年
を読んだ。

「人間の世紀」第4巻「科学の役割」として1973年に出版された「現代の宇宙観」、1962年から1971年に「自然」誌に掲載された「ガンマ線天文学」、「X線天文学」「X線天文学 その後の発展」、「新X線星の奇妙な振舞い」、「白鳥座に新天体を追う」、1973年に「サイエンス」誌に掲載された「X線星と高密度星」に追記を加え、「ブラックホール Cyg X-1」という一章と加えて出版された本である。

当時の最新の科学的な話題が書かれているが、もう出版から50年も経ってしまったので、最新の科学的知識を知るために読むのではなくて、当時何がどこまでわかっていて、どのような議論があったのかを知るという歴史的な興味を満足するために読まれる本であると思う。かなり専門的な話題が多く、読みごたえはある。

2025年1月15日水曜日

谷口「宇宙はなぜブラックホールを造ったのか」を読んだ

谷口義明「宇宙はなぜブラックホールを造ったのか」光文社, 2019年
を読んだ。

銀河天文学者の谷口氏のブラックホールについての一般書である。1章と4章の一般相対論に関わる話、ブラックホール解、ブラックホール熱力学などに関わる話には間違いがたくさん書かれている。2章と3章は天文学的なブラックホールを説明するために一般的な事柄と具体的な観測を交えて、丁寧に説明されている。最終章である4章で急に自分の研究の押し売りが始まるので、ぎょっとした。私が理解できる分野の範囲内では、大学が出す研究のプレスリリースはほぼすべて過大広告だと思っている。それと同じように、どこまで谷口氏の主張を信じていいのか分からない。

一般相対論に関する多くの間違いについて目をつぶって、天文関係の部分に間違いがそれほどないと信じれば、天文学の一般本としては悪い本ではないのかもしれない。銀河衝突やLISAの話なども書かれているので、そういう話題があるのだなと知る分には良いと思う。ブラックホールシャドーの観測の発表前の本なので、すでに古くなってしまったが。

2024年12月15日日曜日

戸谷「爆発する宇宙 : 138億年の宇宙進化」を読んだ

戸谷友則「爆発する宇宙 : 138億年の宇宙進化」講談社、2021年
を読んだ。

ブルーバックスである。 全体で10章あるが、最初の8章と10章は主にビッグバン宇宙論、超新星、ガンマ線バーストに割かれている。第9章はごく最近の戸谷さんの研究の話題として高速電波バーストが扱われている。天文理論の専門家が書いたおおむね良い本だと思う。悪い点としては、脱線があまりにも多くて長い。気が付いたら脱線しており、脱線中に気を抜くと本筋を見失って、迷子になる。

確かに私が学生だったときは、専門家は超新星爆発のシミュレーションが爆発しなくて困っていたし、ガンマ線バーストも起源が謎なので専門家は困っていた。戸谷さんを含んだ専門家が言うように、最近の10年ほどでこれらはおおよそ解決したらしい。本書ではこれらの分かっていなかったことがどのように解決されたのかということが書かれている。個人的には戸谷さんと問題意識を共有出来て、興味を持って読めた。しかし、このような説明の仕方に満足するのは戸谷さんから私までの中年以上の老人だけであろう。今の若者やこれから天文を志す人たちは、天文の勉強を始めた初期のころからから超新星爆発のシミュレーションはうまくいっているし、ガンマ線バーストの起源も知っているので、この本を興味の持てない古文書のような本だという印象を持つかもしれない。