2021年2月28日日曜日

小玉「宇宙のダークマター」を眺め終えた。

小玉英雄「宇宙のダークマター」サイエンス社、1992年

を眺め終えた。


数理科学の連載をまとめた本。

ダークマターは未知の素粒子で説明できるだろうという

アプローチに基づいている。


著者のウェブサイト

未知探訪

に書いてあるように相対論的宇宙論の摂動や高次元ブラックホール摂動の研究で有名。

日本の一般相対論の教科書を読んでいると

小玉さんにお世話になったという記述を見かける。


小玉さんの本は数理的な側面が強くて

私にはつらいが、

雑誌の連載であったためか、

本書は比較的楽に読める。

おそらく、研究室を選ぶときに

宇宙論とか素粒子とか天文学に興味がある人が

眺めてみると良いと思う。


30年前の本である。

30年間でダークマターの理解は

たいして進歩していないはずなので

ダークマターに関してブレイクスルーが起きるまでは

本書はダークマターの素粒子的宇宙論アプローチの概観を

理解するために有益であると思う。

宇宙論では加速膨張が見つかったので、宇宙論の知識はアップデートした方がよい。