小玉英雄「宇宙のダークマター」サイエンス社、1992年
を眺め終えた。
数理科学の連載をまとめた本。
ダークマターは未知の素粒子で説明できるだろうという
アプローチに基づいている。
著者のウェブサイト
に書いてあるように相対論的宇宙論の摂動や高次元ブラックホール摂動の研究で有名。
日本の一般相対論の教科書を読んでいると
小玉さんにお世話になったという記述を見かける。
小玉さんの本は数理的な側面が強くて
私にはつらいが、
雑誌の連載であったためか、
本書は比較的楽に読める。
おそらく、研究室を選ぶときに
宇宙論とか素粒子とか天文学に興味がある人が
眺めてみると良いと思う。
30年前の本である。
30年間でダークマターの理解は
たいして進歩していないはずなので
ダークマターに関してブレイクスルーが起きるまでは
本書はダークマターの素粒子的宇宙論アプローチの概観を
理解するために有益であると思う。
宇宙論では加速膨張が見つかったので、宇宙論の知識はアップデートした方がよい。