嶺重慎「ブラックホール天文学」、2016年、日本評論社
を眺め終えた。
本書では天体としてのブラックホールを議論しているが、
主役はブラックホールの周りで光る降着円盤である。
アインシュタイン方程式のブラックホール解の性質を調べるのではなく、
ブラックホール周辺のガスの運動方程式の解の性質を調べる
アプローチが取られている。
私には天文学の徹底した教育を受けていないために
天文学とはかくあるべしという心構えが身についていないが
いかにも天文学っぽい話の進め方な気がする。
この本を読むためには
・大学3年生までの物理
・半年程度の一般相対論の入門的内容
・本書で触れられる程度のKerr解の性質
・本書で触れられる程度の天文学の素養
を知っておくとよい。
大学4年生から読み始められると思う。