須藤靖「ダークマターと銀河宇宙」1993年、丸善株式会社
を読み終えた。
本書は天文の理論の人が書いた天文の理論の本である。
おそらくこの30年間で
ダークマターについては大して進展がなかったと思うが
銀河についてはある程度進展があったかもしれないので、
知識をアップデートした方がよいかもしれない。
宇宙論では加速膨張が見つかったので、宇宙論の知識もアップデートした方がよい。
小玉氏のダークマターの本と比べてあまりにも雰囲気が違うが
天文的なアプローチと素粒子論宇宙論的なアプローチの違いである。
自分のアプローチの選択は趣味の問題なので
研究室を選ぶ学生は興味のある研究対象だけでなく
興味のあるアプローチを見極める必要がある。
このような本を研究室に配属される前に読んでおくことは有益だと思う。
配属された研究室のアプローチが自分に合わないと思った場合は
研究室内で戦わずに、
卒論や修論をとりあえず仕上げて、
別の研究室に移る方が良いだろう。
研究のアプローチが自分の肌に合うかどうかは運の要素も多いと思う。
須藤さんのウェブサイト
色々な研究をしているようで研究紹介のスライドはかなり多い。