2022年9月5日月曜日

2022年9月1日木曜日

田崎「統計力学I」の1日目

田崎晴明「統計力学I」、培風館、2008年
を読み始めた
一時間で18ページまで進んだ。

2022年8月29日月曜日

香取「統計力学 」を眺め終えた

香取眞理「統計力学 」裳華房、2010年
を眺め終えた。

本書の特徴は、具体的な問題が
章末問題として詰め込まれていることである。
章末問題をスキップするとあまり身につかないだろう。

統計力学の1冊目として読む本である。

2022年8月25日木曜日

香取「統計力学 」を眺めた

香取眞理「統計力学 」裳華房、2010年

を眺めた。

一時間で46ページまで進んだ。 

2022年8月15日月曜日

フレッチャー「アインシュタインの影」を読んだ

セス・フレッチャー「アインシュタインの影」2020年、三省堂
を読んだ。

Scientific American誌特集担当編集長のフレッチャー氏によるイベントホライズンテレスコープでのブラックホールシャドウの観測についての本である。本書は専門家が科学を解説した一般本ではない。本書の内容はジャーナリストがシェパード・ドールマンとその周辺の人々を長期取材したものに一般書のブラックホールの解説を組み合わせた読み物である。科学に関する記述は一見良く書かれているように見えるが、よく読むと一般書でよく見る表現にあふれている。著者は専門的な理解をしているわけではないことは明らかである。ブラックホールの解説はScientific American誌などの一般向けの雑誌のサイエンスライターによる解説らしい文章であふれている。専門家が書く一般書や教科書で学んだことがあれば、学ぶことはあまりない。原書はSeth Fletcher「Einstein's Shadow  A black hole, a band of astronomers, and the Quest to see the unseeable」 で翻訳者はニューズウィーク日本版の編集顧問の沢田博、日本語版監修は天文学者の渡部潤一である。翻訳は天文分野はあまり違和感はないが、超弦理論のブラックホール関係の翻訳はかなりひどい。

こまかい感想を箇条書きしてみる。
・ホーキングが異常に神格化されているが、これは著者のかなり偏った見方であり、著者の記述の客観性を疑うには十分である。
・観測技術には軍事技術に転用可能なものも多くあるらしい。例えば、干渉法では原子時計が重要らしいが、これをアメリカ国内に持ち出すには許可が必要とのこと。関連して著者が友好的でない他国をバカにする記述もあり、読んでいて気分が悪くなる。
・科学的な記述は怪しいものもかなり散見する。ブラックホールに落下する物質の角運動量の記述からは著者の力学を理解しているかどうか疑いたくなる。一般相対論的な記述は一般書で見慣れた正しい記述が多く、よく書けている。しかし、わずかに怪しい箇所もある。超弦理論の研究者が行っているブラックホールの研究についての記述は壊滅的である。
・著者の記述を信頼する必要はないが、著者が記述するドールマンはかなりひどい人物である。多くの先人の技術を受け継ぎ、多くの人が作った複数の望遠鏡を使い、多くの税金を使っているにもかかわらず、これらのすべては自分の所有物であると錯覚し、最初から自分一人だけで研究を行ったと錯覚し、成果が奪いそうな理論家の協力を拒絶しようとし、開発した観測装置の共同利用も拒絶しようとして、研究を大幅に遅らせている。また、科学的研究を自分の名前を後世に残す手段だと思っているようだ。著者の記述を無条件に信じる理由はないが、この本はこれまで読んできた本の中でも最低の部類の本だと思う。
・イベントホライズンテレスコープの上層部は観測前に誰がノーベル賞を取るべきかの駆け引きでおおもめし、観測のための組織作りに支障が出まくったらしい。イベントホライズンテレスコープの上層部はサイエンスと関係のない私利私欲の駆け引きで忙しい最中に、実際の現場での働く若手の多くは2,3年後にはサイエンスの業界から離れざるを得ないかもしれない不安定な状況でサイエンスの議論をしていたとのことだ。観測計画が滞っている理由が上層部の私利私欲のもめごとだと知ったら健康な精神を保てられないだろう。
・重力波の観測のニュースについては触れておらず、非常に不公平であると感じた。著者のジャーナリズムも疑わしい。著者は科学的な事実よりもこの本で儲けることを優先しているのであろう。

もし私がこの本を高校の時に読めば、私は物理系学科に入ることも物理系科目に関わろうとも思わなかっただろう。私は最近この本に出合ったことを非常に幸運に思う。



2022年8月13日土曜日

野村「トポロジカル絶縁体・超伝導体」を眺め終えた

野村健太郎「トポロジカル絶縁体・超伝導体」丸善出版、2016年
を眺め終えた。

理論の人が書いた本らしく、理論物理の人には読みやすい。
計算は丁寧に追えそうであり、良い本だと思う。

物性物理学を専攻とする4年生から大学院生向きに書かれたらしいが、
ちょうど良いレベルだと思う。

2022年8月5日金曜日

野村「トポロジカル絶縁体・超伝導体」を眺めた

野村健太郎「トポロジカル絶縁体・超伝導体」丸善出版、2016年
を眺めはじめた。
一時間で46ページまで進んだ。

2022年8月2日火曜日

久保「ゴム弾性」を眺め終えた

久保亮五「ゴム弾性」、初版復刻版、1996年、裳華房
を眺め終えた。

統計力学の入門書を読んだら次に読む本。
ゴム弾性の研究を通して、
理論物理の研究のやり方を学ぶことができる。
とても面白い。
これを学生の時に読んでいたら、私はゴムの研究者を志していたに違いない。
1946年に書かれた初版の復刻版であることからも、
久保氏がいかに愛されているかが分かる。

2022年7月30日土曜日

久保「ゴム弾性」を眺めた

久保亮五「ゴム弾性」、初版復刻版、1996年、裳華房
を眺めた。
一時間で42ページまで進んだ。

2022年7月29日金曜日

佐々「熱力学入門」を眺め終えた

佐々真一「熱力学入門」2000年、共立出版
を眺め終えた。

一冊目に読む熱力学の本。
大学1,2年生ぐらいがちょうどいいレベルだと思う。
コンパクトであるが、練習問題の答えは書いていない。
この本だけで、問題は解けるようにはならないだろう。

LiebとYngvasonの論文の影響で、
近い分野で研究している人の間で
熱力学だけで閉じた教科書を書くことが流行ったようで
その一冊。

それ以前の教科書と比べて
わかりやすくなったのか?
それは、わからない。
薄めの本なので、その点は読みやすい。

私は熱力学の話が続いた後で、
バネのモデルが出てきたときに
とても喜んだので、
一般的な議論をほめたたえる
どの熱力学の本もあまり好きではない
ということが分かった。

熱力学と統計力学がまとめて書かれた古い本で
熱力学の教育を受けたので、
どれだけ著者がほめたたえていても
熱力学だけで閉じていることを過剰に褒めたたえる
雰囲気が好きになれず、憂鬱な気分になる。


2022年7月27日水曜日

佐々「熱力学入門」を眺めた

佐々真一「熱力学入門」2000年、共立出版
を一時間眺めた。
34ページまで進んだ。

2022年7月15日金曜日

阿部「小倉金之助 生涯とその時代」を読んだ

阿部博行「小倉金之助 生涯とその時代」法政大学出版局、1992年
を読んだ。

著者の阿部博行氏の山形県立高等学校教諭の郷土史家で、
本書で第8回「真壁仁・野の文化賞」、第40回「高山樗牛賞」を受賞した。

本書は数学史家・数学者・物理学者である小倉金之助の伝記である。阿部氏は数学が不得意とのことで数学などの研究内容に関する記述について期待してはいけない。本書は小倉氏の自伝に沿ったものらしく、それらを検討しなければ、本書の真の価値は判断できないので判断を保留する。本書の記述は平坦であり、読みやすい。小倉氏の一側面ついて大げさに取り上げて批判することもない。幼少時代の背景から死後まで記述は淡々としている。著者が数学や物理にあまり興味がないからであろう。著者の阿部氏は郷土の山形県に関して興味があるようなので、当時の山形関係の記述は本書の特徴なのかもしれない。よくまとまっていると思うが、小倉に対する批評が足りないかもしれないとも思う。

小倉は幼少のことから病弱で、いつも死が付きまとった。当時も過労死する人が多かったらしくて、小倉も恩師が過労死している。小倉は半年程度寝込み、体力回復して働き、また長期間寝込むということ何度も何度も繰り返した。小倉は医師の忠告をよく守ったようで、寝込み始めるタイミングも上手かったのだろう。77歳まで生きた。

2022年7月7日木曜日

藤原兵頭「熱学入門」を眺め終えた

藤原邦男、兵頭敏夫「熱学入門」1995年、東京大学出版会

を眺め終えた。


この本は故藤原邦男氏の講義ノートを兵頭敏夫氏が加筆し、まとめたものであり、

物理を専門としない東京大学の1年生用の熱力学・統計力学の入門書のようだ。

熱力学と統計力学をすっきりと理解させる気はないようだ。

東京大学の一年生が力学に退屈して大学の物理に幻滅しないように

歴史をまじえて物理の面白さを宣伝するための本だと感じた。


兵頭氏の本らしく、途中の計算は丁寧に書かれている。

演習問題の答えの一部は省略されているものもあるが大部分は途中計算も書かれている。

解析力学が予告なく出てくるので、普通の大学一年生にはつらい。


東大生は入学直後にでも読めばいいが、普通の大学生は

解析力学を終えた長期休みあたりに一気に読めば、ちょうどいいと思う。


2022年7月3日日曜日

藤原兵頭「熱学入門」を眺めた

藤原邦男、兵頭敏夫「熱学入門」1995年、東京大学出版会

を眺めた。

一時間で53ページまで進んだ。


2022年7月2日土曜日

河辺「工科系のための解析力学」を眺め終えた

河辺哲次「工科系のための解析力学、第2版」2016年、裳華房

を眺め終えた。


解析力学の本であるが、多くの例題と章末問題があり、

例題と章末問題の問題の出し方に特徴がある。

問題中に答えが書いてあり、それを確認するタイプだけの問題しかない。

この本を解析力学の最初の本にして、

その後に大学院入試の過去問を解けば、

大学院入試対策としては十分で、

ぼほ最短ルートになるだろう。


力学を終えた後、大学2年生ぐらいで読む本。


2022年6月27日月曜日

河辺「工科系のための解析力学」を眺めた

河辺哲次「工科系のための解析力学、第2版」2016年、裳華房

を眺めた。

一時間で35ページまで進んだ。

2022年6月24日金曜日

キャレン「熱力学および統計物理入門」を眺め終えた

H.B. キャレン(著)、小田垣孝(翻訳)「熱力学および統計物理入門」第二版、上1998年・下1999年、吉岡書店

を眺め終えた。


タイトルに偽りなく、熱力学および統計物理入門について書かれている。

熱力学入門+統計物理入門ではなく、

熱力学(450ページ)+統計物理入門(150ページ)である。


日本のよくある熱力学の教科書と違って熱力学の歴史を追わない。

しかし、アメリカスタイルの大量の文章による説明で書かれているためページ数は多い。

熱力学の本だと思うと、もっと洗練した記述にして欲しいし、

統計力学の本だと思うと内容として物足りない。


原書の第一版は1966年であるため、やはり古い記述がある。

大学3年生から大学院初年次用と書いてある。


熱力学と統計力学の一冊目の本としてはつらい。

手元にあるのが一刷であるためか、誤植がかなり多く、本が嚙みまくっている。

上巻のカバー裏にも「列題や問題が数多く与えられているので」と誤植がある。

どうやって間違えたのだろう。


幾何学的な説明が多い。

研究レベルで使用されているらしいデータカタログでの計算が紹介されているのは楽しい。

私は臨界現象について勉強したことがほとんどないため、面白く読めた。でも臨界現象についての記述は20ページだけ。


入門レベルの問題の例題は少ない。

アメリカスタイルの本らしく宿題用の問題が羅列されているが、

解答例は書いていないので、本書では計算技術は全く身に着かない。

訳書独特のとっつきにくさや古さを感じる。


熱力学の歴史の話にうんざりしている人には、

選択肢の一つになりえると思う。

量子力学やベクトル解析を知らなくてもある程度読むことができるため、

大部分は大学2年生から読むことができると思う。


2022年6月15日水曜日

森本「ある女性数学者の回想」を読んだ

森本治枝「ある女性数学者の回想」1995年、九州大学出版会
を読んだ。

森本治枝(もりもと はるえ、1902年12月6日大阪生ー1995年3月12日東京没)は1927年に東北大学理学部数学科卒業後、女学校、専門学校などで数学を教えた。森本治枝氏は数学セミナーなどへの寄稿もある。夫は数学者の森本(旧姓は深沢)清吾、子に森本治樹(数学者、元大阪市立大学教授)、森本雅樹(天文学者、元鹿児島大学教授)、森本芳樹(経済史学者、元九州大学教授)、森本英樹(生物物理学者、元大阪大学助教授)がいる。

本書は自伝的要素が強い回想録である。20世紀前半の富裕層の生活、女性から見た東北大学での学生生活、数学科の雰囲気、数学教師としての生活、多くの人に支えられた当時の夫婦共働きによる子育てと居住地に関わる困難、戦争中の困難など非常に興味深い内容である。書かれたのが森本治枝氏の最晩年であり、断片的な文章ではあるが、十分に読む価値があると思う。

あとがきとして森本芳樹氏の文章があり、どのように本が作られたか示しているので、まず、あとがきを知っておく必要があるだろう。

この本を読んだ後にもっと本格的に森本氏について知るためには以下の本に進むのがよさそうである。私には時間がなくて断片的にしか読めていない。
理学博士森本清吾論文集
森本清吾論文集刊行会 編 森本清吾論文集刊行会, 1955

2022年6月11日土曜日

キャレン「熱力学および統計物理入門」を眺めた

H.B. キャレン「熱力学および統計物理入門」第二版、上1998年・下1999年、吉岡書店

を眺めた。


一時間で49ページまで進んだ。

2022年6月10日金曜日

高橋佐藤「ARPESで探る固体の電子構造」を眺め終えた

高橋隆、佐藤宇史「ARPESで探る固体の電子構造」2017年、共立出版

を眺め終えた。


100ページの薄い本。

数式は5個しかなく、このシリーズの中では特異な本である。


角度分解光電子分光について軽く説明した後、

高温超電導体、グラフェン、トポロジカル絶縁体について解説される。

著者は高温超電導体のニュースを聞いた時に、

やっている共同研究を中止して、高温超伝導体に乗り換えたらしい。

そんな著者の本なので、トピックも異常に流行した

物性音痴の私でも聞いたことのあるものばかりである。

なので、私のような素人でも読んでいて、それなりに楽しい。


量子力学と統計力学の入門を終えた大学4年生ぐらいが

読むのにちょうどいいと思う。

2022年6月9日木曜日

高橋佐藤「ARPESで探る固体の電子構造」を眺めた

高橋隆、佐藤宇史「ARPESで探る固体の電子構造」2017年、共立出版

を眺めた。

一時間で46ページまで進んだ。

2022年6月8日水曜日

砂川「熱・統計力学の考え方」を眺め終えた

砂川重信「熱・統計力学の考え方」1993年、岩波書店

を眺め終えた。


タイトルは熱・統計力学となっているが、

最後の章に統計力学のことがおまけのように書かれているだけで、

それ以外は熱力学について述べられている。

この本で、統計力学を学べると思わない方がよい。


熱力学については、

私が学生の時に受けた授業とだいたい同じ流れであり、

私には親しみのある説明の仕方である。

砂川氏が本書で指摘しているように、

クラウジウスによる説明の仕方であり、

ほとんどの熱力学の本は

クラウジウスの議論を踏襲した説明となっている。

この本では、クラウジウスの議論で砂川氏が分かりにくいと感じた

箇所が改善されている。

また、演習問題には丁寧な解答がついている。


本書の特色としては

カロリック説と熱力学の対立の歴史をたどりながら説明していることがあげられる。

科学の形成の一例を熱力学の歴史を通して教えることは非常に教育的であると思う一方、

熱力学を学ぶことが目的だとすると歴史は煩わしいとも思う。


また、著者は身近なたとえ話で熱力学と統計力学を説明しようと

試みているが、たとえ話は個人的には好きではない。

読者を男子学生に限定したような例え話は、

黒塗りが必要かもしれない。


全微分や偏微分に慣れていない大学一年生には難しいが

2年生は読めるだろう。

2022年6月6日月曜日

砂川「熱・統計力学の考え方」を眺めた

砂川重信「熱・統計力学の考え方」1993年、岩波書店

を眺めた。

一時間で57ページまで進んだ。

2022年6月2日木曜日

齊藤村上「スピン流とトポロジカル絶縁体」を眺め終えた

齊藤 英治, 村上 修一「スピン流とトポロジカル絶縁体」2014年、共立出版

を眺め終えた。


とてもいい本である。スピン流とトポロジカル絶縁体について解説している。本書の記述の仕方は、簡潔でありながら、深い洞察を含んでおり、物理を解説する文章として最高レベルに上手だと思う。私が学生の時にこの本を読んでいたら、物性分野を志していたかもしれない。


私は物性のことをほとんど勉強したことがなく、つかみどころがない巨大な何か、という漠然とした好ましくないイメージを十数年間持っていたが、この本は物性物理の多くが電子に関わる現象であるということを教えてくれ、日本物理学会がどのように物理学を領域分けしているのか、私に悟らせた。


私にとって、この本の内容はかなりアドバンスである。スピン〇〇という物理現象がたくさん紹介されるが、私は物性分野で基本的な○○自体を知らず、まず〇〇の勉強をしないといけないということを、この本は教えてくれた。私は最近、本書を含めてアドバンスな物性の本やキッテルの教科書を眺めたが、私が物性を理解するために何をすべきか明確に分かった。私はAshcroft and Merminを丁寧に読むべきである。


量子力学、統計力学、物性の導入を終えた大学4年生が読むとちょうどいいレベルであろう。