清水明「新版量子力学の基礎」サイエンス社、2004年
を眺め終えた。
初版は2003年発行。
この本は著者の東京大学の学生への講義が元になっている。
そのため、読者が東京大学の学生と同等のレベル以上の学生でなければ、
本書を量子力学の教科書の一冊目として使うのは難しいと思う。
それ以外の学生の場合は、3冊目か4冊目の量子力学の教科書として読むとちょうどいいと思う。
素粒子理論ではなくて、量子測定理論や量子光学などの分野への応用を考えている様である。
そのため、素粒子理論で必要になるくりこみや相対論的場の理論の記述は非常に頼りない。
著者と読者の興味がそろわない場合はそれほど面白い本ではないと思う。