を読んだ。
2022年11月28日に俳優の渡辺徹さんが亡くなった。子供向けのゲームのテレビ番組の司会を長年やり、妻の榊󠄀原郁恵さんとともにバラエティー番組でも活躍した渡辺徹さんは私にとって家族のように親しみのある人である。渡辺徹さんは体重の増減が激しく、テレビを見ていた人はみんな家族のことのように渡辺徹さんの体調を心配し、榊󠄀原郁恵さんの心労も慮っていたと思う。渡辺徹さんの声は非常に心地よいので、私は渡辺徹さんがナレーションをする地球ドラマチックという番組の虜になった。この番組は海外の科学番組を編集して放送するというものであり、見ているとNHKで制作され毎週放送される科学番組のつまらなさに我慢できなくなる。日本の科学番組は科学だけを見せようとするあまり、人の存在を排除しようと努めていることに気が付く。それが番組の面白さを台無しにしている。地球ドラマチックで紹介される科学番組は科学者が仮説を立てて検証する過程も描かれて、科学者にも敬意が払われている。科学者がメインというわけではないが、科学者の理解しがたい異常な情熱や成功の喜びや失敗の苦悩などの人間らしさのほのかな香りも感じられる構成になっている。日本の科学番組は絶対に間違っていると私は思う。
本題に入るが、本書の原書は「STEPHEN HAWKING'S A BRIEF HISTORY OF TIME: A Reader's Companion」であり、1992年に出版されたようだ。内容は映画「ホーキング宇宙を語る」の完全版の書籍化といったところである。ホーキングのドキュメントとブラックホール研究の紹介が絶妙なバランスで描かれており、本書を読めばいかに海外の科学番組が優れていたのかがわかるだろう。一般相対論を勉強した後に読むと出演メンバーの豪華さにも気が付くと思う。