2024年7月31日水曜日

松原「大規模構造の宇宙論」を眺めた

松原隆彦「大規模構造の宇宙論」共立出版、2014年
を2時間眺めた。
102ページまで進んだ。

2024年7月30日火曜日

小嶌小出高橋「ブラックホール宇宙物理の基礎」を眺め終えた

小嶌康史、小出眞路、高橋労太「ブラックホール宇宙物理の基礎」日本評論社、2019年
を眺め終えた。

一般相対論を使ったブラックホールとその周辺についての基礎的なことをまとめた教科書。
重力波のことはほぼ書いていない。イベントホライズンテレスコープの観測結果が出る直前に出版されたので、この本には書かれていない。

この分野に参入したい学生が読むような教科書で、一般相対論に入門しておく必要がある。
このレベルの教科書にしては珍しく、本文中に例題がたくさんあったり、各章に演習問題がちゃんとあるので読者はかなり長い時間をかけてこの本と戦うことになる。多くの内容はこの本以外では(少なくとも邦書としては)本としてはまとまっていないと思われるので、この分野に詳しくなるには、この本を読むか、原著論文を読むしかかないと思われる。

内容はこの分野の理論研究の最前線という感じであり、この分野の研究者のコンセンサスがなんとなくわかるところは原著論文にはない良さだと思う。

2024年7月26日金曜日

小嶌小出高橋「ブラックホール宇宙物理の基礎」を眺めた

小嶌康史、小出眞路、高橋労太「ブラックホール宇宙物理の基礎」日本評論社、2019年
を2時間眺めた。
75ページまで進んだ。

2024年7月25日木曜日

河合浅野「ガンマ線バースト」を眺め終えた

河合誠之、浅野勝晃「ガンマ線バースト」日本評論社、2019年
を眺め終えた。
ガンマ線バーストの理論と観測をまとめた本。
ガンマ線バーストの面白さと難しさが良くまとまっているとても良い本。

2024年7月23日火曜日

河合浅野「ガンマ線バースト」を眺めた

河合誠之、浅野勝晃「ガンマ線バースト」日本評論社、2019年
を2時間眺めた。
88ページまで進んだ。

2024年7月22日月曜日

前田田辺「演習形式で学ぶ特殊相対性理論」を眺め終えた

前田恵一、田辺誠「演習形式で学ぶ特殊相対性理論」2022年、サイエンス社
を眺め終えた。

特殊相対論をだいたい理解している人が
手を動かして問題を解くことで、より深く理解するために良い本。
将来、特殊相対論や一般相対論を使った研究者になる人や既に研究している人が主な読者だと思われる。

2024年7月21日日曜日

前田田辺「演習形式で学ぶ特殊相対性理論」を眺めた

前田恵一、田辺誠「演習形式で学ぶ特殊相対性理論」2022年、サイエンス社
を2時間眺めた。
78ページまで進んだ。

2024年7月20日土曜日

岩井「多電子系の超高速光誘起相転移」を眺め終えた

岩井伸一郎「多電子系の超高速光誘起相転移」共立出版(2016年)
を眺め終えた。

本書はかなり難しい。大学生が読むには難しいだろう。光誘起相転移に興味がある人が好きな時に読めばいいと思う。

2024年7月19日金曜日

岩井「多電子系の超高速光誘起相転移」を眺めた

岩井伸一郎「多電子系の超高速光誘起相転移」共立出版(2016年)
を2時間眺めた。
69ページまで進んだ。

2024年7月18日木曜日

辻川「入門現代の宇宙論」を眺め終えた

辻川信二「入門現代の宇宙論」講談社(2022年)
を眺め終えた。

本書は大学3,4年生向けに作られた相対論的宇宙論の本である。一般相対論のことを知らない人向けに作られており、付録に少しだけ一般相対論のことが述べられている。

本書は基礎的なことから始めて、かなり難しいことまで述べられている。本書を読み通すことが出来れば、相対論的宇宙論の基本的なことは理解したと言ってよいだろう。辻川氏のような専門家が授業で使ったり、ゼミで使ったりすれば学生も何とか読み通すこともできるだろう。しかし、相対論的宇宙論に興味がある人が一冊目に独学するには難しすぎるレベルだと思う。

2024年7月17日水曜日

辻川「入門現代の宇宙論」を眺めた

辻川信二「入門現代の宇宙論」講談社(2022年)
を2時間眺めた。
124ページまで進んだ。

2024年7月16日火曜日

一丸「高密度プラズマの物理」を眺め終えた

一丸節夫(著)吉田治(訳)「高密度プラズマの物理」日本評論社(2020年)
を眺め終えた。

原書は2019年出版にされた「Statistical Physics of Dense Plasmas: Elementary Process and Phase Transitions」である。著者の一丸氏はプラズマ物理で多くの国際的な賞をとっている有名な物理学者らしい。本書は一丸氏のこれまで行ってきた研究と興味がある研究をまとめたような本。本書では多くの一丸氏の論文が引用されている。この本で扱われている内容がメジャーなものなのかどうかは私にはわからない。多くの内容が知らない内容で面白く、興味を持って眺めることができた。

本書のレベルは高く、大学生が読むレベルではない。論文を読んでいて、一丸氏の論文が出てきたら、この本もチェックしてみると良いかもしれない。

2024年7月15日月曜日

ソーン「ブラックホールと時空の歪み―アインシュタインのとんでもない遺産」を読んだ

キップ・S・ソーン「ブラックホールと時空の歪み―アインシュタインのとんでもない遺産」 白揚社、1997年を読んだ。

本書は後に重力波観測の研究でノーベル物理学受賞者となるキップ・ソーン氏が1994年に出版した「Black holes and time warps」を林一氏と塚原周信氏によって翻訳されたものである。2段組で550ページもある。訳者の林氏の専門は理論物理学・科学史、塚原氏の専門は物理学・情報教育とのことであるが、かなり丁寧に訳されていると思う。ソーンは一般相対論の教科書「電話帳」の著者の一人としても有名である。

本書には数式がない。しかし、実際に読んでみた感想から勝手に判断すると「一般相対論周辺分野を専門とする大学院生や研究者向けの専門書の副読本」といった感じである。15年かけて書かれたという本書のスタイルは論文に近い。大量の論文や電話帳や他の一般相対論の有名な教科書が引用されており、読者は引用文献に当たることもできる。

ほとんどの読者はプロローグの一般相対論を扱ったSF小説で心が折られるだろう。これがソーン氏がエグゼクティブ・プロデューサーを務めた映画『インターステラー』の初期のプロットに違いないことに気付けば、急に現れた奇妙なプロローグも乗り切られるかもしれない。

1章と2章はアインシュタインが主役の一般相対論の紹介である。これは珍しくない内容である。3章はシュバルツシルト解、4章は白色矮星の最大質量に関するエディントンとチャンドラセカールの軋轢、5章と6章は中性子星とその重力崩壊に関する物理学者たちについて、7章はカー・ブラックホールの理論研究(唯一性、摂動問題など)の黄金時代を過ごした物理学者について、8章はブラックホール天体のX線観測に関わる実験物理学者について、9章はブラックホール天体の電波観測に関わる天文学者について、10章は重力波検出装置の開発に取り組む天文学者と物理学者について、11章はソーンらの専門書「Black holes The membrane paradigm」の解説、12章はブラックホールの放射を議論した物理学者について、13章はブラックホールの内部の時空特異点を議論した物理学者について、14章はワームホールについて議論した物理学者について書かれている。

プロローグを運よく乗り越えても、物理系の学科を卒業していないとほとんど何も分からないと思う。学部で一般相対論の入門コースで半年ほど勉強しても、全体の半分くらいしか分からないと思う。本書の半分を占める難しい箇所は一般相対論の大学院レベルの教科書を読んでいないと全く分からないと思う。例えば、Chandrasekharの「The Mathematical Theory of Black Hole」などを読んだことがなければ、7章の摂動の話は分からないし、本書では電話帳は頻繁に参照されているので電話帳の内容くらいは知っていないとついていけないだろう。11章はソーンらの専門書「Black holes The membrane paradigm」、13章は特異点定理、14章はワームホールのことも理解していないと読めないので、相当ハードルが高いと思う。そういうわけで「一般相対論周辺分野を専門とする大学院生や研究者向けの専門書の副読本」だと感じた。


2024年7月14日日曜日

一丸「高密度プラズマの物理」を眺めた

一丸節夫(著)吉田治(訳)「高密度プラズマの物理」日本評論社(2020年)
を2時間眺めた。
98ページまで進んだ。

2024年7月13日土曜日

2024年7月12日金曜日

田中「相対論」を眺め終えた

田中貴浩「相対論」東京図書(2021年)
を眺め終えた。

背表紙と表紙にシリーズの監修者の益川氏と編集者の植松氏と青山氏の名前がでかでかと載っており、ぱっと見、誰が著者なのか全く分からない。ネットで注文するときも同じような感じである。

この本の冒頭には益川氏と植松氏と青山氏の雑談が載っている。相対論の教育や研究とは無縁であろう老人たちのしょーもない雑談である。私はこのシリーズで東京図書が大嫌いになった。

それはともかく、本書は一般相対論の入門書である。著者の田中氏は京都大学の教授であり、日本の相対論分野の若手研究者を引っ張っている人らしい。

補章を含めて12章もある。これは240ページしかない一般相対論の入門書としては多い。章ごとに割あてられるページは少なく、物足りない感じはする。しかし、これまでの入門書とは異なった話題が章として取り上げられている。

大きな流れは通常の一般相対論の入門書と同じである。1章は特殊相対論、2章で数学的準備、3章でアインシュタイン方程式、4章は弱い重力場、ここまででかなりコンパクトにまとまっている印象を受ける。

5章は3+1分解に当てられる。次の6章を読むと、著者の意図が分かる。6章は球対称ブラックホールであるが、3+1分解を使い、すっきりとした記述に仕上がっている。ここまでで、基本的な内容は終わりであり、

残りは発展的なトピックであるが、田中氏の圧縮した記述で、半分以上のページが残っている。7章はカーブラックホールやブラックホール熱力学、8章は重力波、9章と10章は宇宙論の基本とインフレーションについてであるが、この2章には65ページが割かれており、読みごたえがある。11章はホーキング放射、12章は最大対称時空についての補章である。

本文には気を付けるべき注意点やおばあちゃんの知恵袋的なテクニックがさりげなく書かれている。もうすでに他の本で一般相対論を学んだことがある人でもこの本から学ぶことは多いと思う。章末の問題は難しい。

(私もそうであったが)平凡な大学生には一般相対論の1冊目の入門書としては難しいかもしれないが、1冊目にせよ、2冊目にせよ、大学4年生ぐらいに読む本であろう。京都大学の学生は難なく読むのだろう。

2024年7月11日木曜日

田中「相対論」を眺めた

田中貴浩「相対論」東京図書(2021年)
を2時間眺めた。
100ページまで進んだ。

2024年7月10日水曜日

井田「現代相対性理論入門」を眺め終えた

井田大輔「現代相対性理論入門」朝倉書店(2022年)
を2時間眺め終えた。

まえがきにも書かれているように本書は難しい。
最初の120ページで特殊相対論と数学の準備に割かれる。
残りの100ページでは、一般相対論があっさりと導入され、ホーキング・エリスのダイジェストの様な感じで特異点定理が述べられる。その後、少しだけ具体的な時空の性質がまとめられるている。

本書は数理的な傾向がある人が相対論の一冊目に良い本だと思う。
普通の物理学の方法を好む人には別の一般相対論の入門書を読んだとしても、この本は難しいだろう。

2024年7月9日火曜日

井田「現代相対性理論入門」を眺めた

井田大輔「現代相対性理論入門」朝倉書店(2022年)
を2時間眺めた。
120ページまで進んだ。


2024年7月8日月曜日

2024年7月6日土曜日

Misnerら「重力理論」を眺め終えた

C. W. Misner, K. S. Thorne, J. A. Wheeler 著, 若野省己 訳「重力理論」2011年、丸善出版
を眺め終えた。1973年に出版されたMTW、Telephotone bookなどの愛称で有名なGravitationの和訳。訳者の若野さんはWheelerの指導の下でPhDを取った弟子であり、Wheelerらとの共著の論文や専門書も知られている。

原書の英語にかなりの癖があるが、本書の和訳は癖のある英語が日本語になって読みやすくなっている箇所もあるが、不自然な直訳で読みにくい箇所も多いし、和訳を頭の中で英語に直して意味を取り直す必要な場合も多い。また、原書では横にあった見出しとしての脚注はすべてページの下に移動させられ、ほとんど意味を失った。また原書のページの上の角についていた初学者向けページを示す「黒塗り1」とそれ以外の「白塗り2」は無くなった。分冊にしなかったことは非常に好印象ではあるものの、原書の魅力は半減していると思う。

物理的な内容自体は原書と変わらない。スタンダードな物理学スタイルであり、現在のスタンダードな入門書と大体同じテーマを扱っている。この本は辞書とも呼ばれ、記述は網羅的であり、最近の本には見当たらない話題も多く含まれている。しかし、実際の辞書とは違い、記述は非常に冗長である。初学者向けと中級者以上向けのページがあるが、中級者向けのページではもっと詳しく知りたければ1973年よりも前の文献(本や論文)を見ろといわれることが多い。私は学生だったときに、この本の原書を眺めていることが多かったが、私がいた小さな物理系学科しか持たない日本の大学の図書館には読めといわれる1960年代以前の洋書がないことも多かった。私にとって、その点で私はこの本を生かし切れなかった。しかし、最近は洋書の教科書がopensourceになっていてinternetで簡単に読める場合も多いので、そのような環境で勉強していた人にとっては、現在の方が本書の価値は高いと思う。60年代の洋書の専門書を参照せよと言われて、すぐに参照できる現在の環境は私が学生だったときには考えられないことだった。

初学者向けのページを選びながら大学3年生から読み始めることができると思う。個人的な好みにすぎないが、かなり辛い直訳の日本語訳よりも癖のある英語の方がましな気がするし、原書にしかない工夫もたくさんあるので、原著を読んだ方が良いと思う。もちろん、翻訳者もかなりの苦労と眺めただけの私には見えない工夫をしているかもしれないので、私にはひどく貶すことはできない。