2024年6月20日木曜日

Misnerら「重力理論」を眺めた

C. W. Misner, K. S. Thorne, J. A. Wheeler 著, 若野省己 訳「重力理論」2011年、丸善出版
を眺め始めた。
2時間で74ページまで進んだ。

2024年6月19日水曜日

Lightmanら「演習相対性理論・重力理論」を眺め終えた

Alan P. Lightman、William H. Press、Richard H. Price、Saul A. Teukolsky著、真貝寿明、鳥居隆 訳「演習相対性理論・重力理論」2019年、森北出版
を眺め終えた。

本書の原書は1975年に出版された「Problem Book in Relativity and Gravitation」である。著者らは別の有名な教科書や有名な論文を書いている研究者である。1970年代の初めには彼らの指導教員の世代が有名な一般相対論の教科書をいくつか書いているので、当時の勢いがある若手がそれらとは異なった特色ある本を作ったという感じなのであろう。訳者は一般相対論・宇宙物理学の研究者である。和訳の日本語は読みやすいと感じた。また原書は問題文と解答分のページが離れている演習書スタイルであったが、訳書である本書では同じページ書かれており、読み物スタイルに近くなった。数式の見た目もきれいになった。訳者による50ページ分の一般相対論研究の進展が付録としてついている。ただし、自腹で買うことを諦める学生がいても仕方がない程度には値が張る。

前半は一般相対論で使う数学を導入しながら学ぶ特殊相対論で、後半は一般相対論である。問題量のバランスは良い。アメリカの大学の普通の物理の過程に沿っている問題の難易度である。数理物理的な問題はない。本書の問題が解ければ、昔の米国スタイルの特殊相対論と一般相対論で解ける問題は自分で解決できるようになると思う。一般相対論の初学者が最初の一般相対論の入門書と一緒に読むときに役立ちそうな基本的な問題と入門書では見かけることはない中級レベルの問題が混ざっている。米国スタイルの教科書が好きな人は楽しめると思う。一般相対論の最初の入門書を読んでいるときに、手元に置いておいてパラパラ眺めておいて教科書の計算のために参照するのに便利だろう。また、時間をかけて全体を眺めておけば、問題を自分で設定するときに解ける問題を作れるようになると思うので、ずっと使える本だと思う。


2024年6月17日月曜日

Lightmanら「演習相対性理論・重力理論」を眺めた

Lightmanら「演習相対性理論・重力理論」を眺めた

Alan P. Lightman、William H. Press、Richard H. Price、Saul A. Teukolsky著、真貝寿明、鳥居隆 訳「演習相対性理論・重力理論」2019年、森北出版

を眺め始めた。

2時間で446ページまで進んだ。

2024年6月15日土曜日

大須賀「ゼロからわかるブラックホール」を読んだ

大須賀健「ゼロからわかるブラックホール」 講談社, 2011年
を読んだ。

一般向けのブルーバックスではあるが、本書を理解するためには物理学科3年生程度の知識があると良い。著者の専門はブラックホール周りの降着円盤のシミュレーションである。そのため、ブラックホール周りの降着円盤について書かれた6章、7章、8章は数式を使った説明はないものの、専門書と同じ程度によく書けていると思う。もちろん、ブルーバックスなので分かりやすさを優先した記述はあると思う。正直に言って、著者の専門から離れた9章はない方が良いと思う。読みにくい9章はほぼ巻末にあるため、9章の存在は通読をそれほど妨げない。10章は残念ながらすでに古くなってしまっている。活動銀河核やブラックホールの降着円盤に詳しくない人や専門書を持っていない人は、本書を手元に置いて4章~8章を繰り返し読むことを強く薦められる程度には良書だと思う。

2024年6月11日火曜日

Lightmanら「演習相対性理論・重力理論」を眺めた

Alan P. Lightman、William H. Press、Richard H. Price、Saul A. Teukolsky著、真貝寿明、鳥居隆 訳「演習相対性理論・重力理論」2019年、森北出版

を眺め始めた。

2時間で86ページまで進んだ。





2024年6月10日月曜日

佐藤小玉「一般相対性理論」を眺め終えた

佐藤文隆,小玉英雄「一般相対性理論」2000年、岩波書店
を眺め終えた。

本書は1992年に出版された同名の現代の物理学シリーズの一冊に修正と補章を追記したものを現代物理学叢書として出版したものである。佐藤氏は普通の物理の本のスタイルで小玉氏は数理物理のスタイルで書くので一冊の本としてまとめらえると、何も知らない読者としてはかなりつらい。特に一章は物理スタイルでとそれ以降の章は数理物理スタイルが主なので、読者はその境目で躓くと思う。一章は本題に入る前の前書きだと開き直ってざっと目を通した後にすべて忘れて、2章からこの本が始まると思って読むことがコツだと思う。

2章からは一般相対論で使う数学の定義が述べられ、様々な定理が証明される。2章は多様体、3章は時空の対称性、4章は一様な宇宙、5章はブラックホール解、6章は正準理論とBianchi宇宙、7章はKaluza-Klein理論、Ashtekhar理論、重力の量子論について述べられている。特異点定理などの大域的トポロジーのことは補章で少し書かれているだけで、本文中には書かれていない。

本書の良いところは一般相対論で使われる数学がコンパクトにまとめられ、それがどのように役立てられているのかを学べるところであろう。一般相対論の本などで数学的すぎて精読ができなかった箇所で使われている数学の確認にも使える。様々なペンローズダイアグラムも見ていて楽しい。

一般相対論を宇宙や天体に使いたい人向きの本ではない。数学を一般相対論に応用することに興味があり、一般相対論の専門的なことを本格的に学んでいる人が本書の内容に特に興味があれば細部まで読むと良いという感じの本である。数学的な道具を準備している箇所や基本的な公式を証明している所はもっと広い読者の層にも役に立つと思う。

2024年6月9日日曜日

佐藤小玉「一般相対性理論」を眺めた

佐藤小玉「一般相対性理論」を2時間眺めた。
156ページまで進んだ。

2024年6月8日土曜日

佐藤小玉「一般相対性理論」を眺めた

佐藤文隆,小玉英雄「一般相対性理論」2000年、岩波書店
を2時間眺めた。
82ページまで進んだ。

2024年6月7日金曜日

小玉「相対性理論」 (培風館)を眺め終えた

小玉英雄「相対性理論」 (培風館,1997年)
を眺め終えた。

本書は特殊相対論と一般相対論の本格的な教科書である。最初の6章は特殊相対論、後半の4章は一般相対論について記述している。全体的な数学的なレベルはWaldのGeneral Relativityと同じ程度、つまり大学院初年度レベルという印象を感じる。特殊相対論の記述も数学のレベルが高いために特殊相対論でこんなに数学を導入する必要があるのかと訝しく思ったが、後半の一般相対論の箇所を読んでいると、「すでに特殊相対論のところで説明したように」という説明に出会い、前半で撒ける布石を見逃さずに撒いているスタイルで書かれているのだと分かる。そのため、後半の一般相対論のところだけ読もうとするとそれらの事柄を習得済みでなければ苦労し、最初から読まないといけないことを悟ると思う。前半の150ページある特殊相対論も数学的準備だけというわけでなく、コンプトン散乱やシンクロトロン輻射などの応用例も丁寧に書かれている。後半の150ページの一般相対論の部分も追加の数学的な道具の説明がコンパクトに詰め込まれ、応用例も豊富である。ブラックホールではKerrブラックホールのペンローズ図、面積増大定理、一意性定理などにも触れ、重力崩壊、重力波についても記述があるし、宇宙論ではインフレーション、非等方性、非一様性にも触れている。全体を眺めた後の感想としては、物理の本としては驚異的に内容を詰め込んでおり、見事であるとも感じる。なお、朝倉書店から同じ著者の同じタイトルの本が出版されているがそれとは別の本である。


相対論を数理的に扱う専門家を志す学生は、別の入門書で一般教養としての一般相対論を学んだあとに、一般相対論の数理物理傾向強めの2冊目の入門書として本書を選こともできるという感じの本である。




2024年6月5日水曜日

小玉「相対性理論」 (培風館)を眺めた

小玉英雄「相対性理論」 (培風館,1997年)
を眺めはじめた。
2時間で106ページまで進んだ。

2024年6月4日火曜日

中村三尾大橋ら「重力波をとらえる : 存在の証明から検出へ」を眺め終えた

中村卓史, 三尾典克, 大橋正健編「重力波をとらえる : 存在の証明から検出へ」、京都大学学術出版会, 1998年
を眺め終えた。

本書は重力波に関する理論と実験に関する教科書である。実験に関しては私は全然わからないが日本語で実験装置について読める本書はありがたい。理論の部分は丁寧に書かれており、現在でも通用する良い本だと思う。ところどころ重力波源としてエキゾチックな現象が紹介されているがうかがえるが、現在では流行っていないものが大半だと思われるので、無視して良いだろう。また、実際に多く観測されることになる重力波の源として連星の恒星質量ブラックホールの合体は記述はほとんどないので、その点に期待して読むと得られることは何もない。

「重力波アンテナ技術検討書ー干渉計ハンドブック」とgoogleで検索すると269ページもある本書の実験部分の雛形を見つけられるだろう。それを印刷して配布されたものの一部が過去にyahooオークションで出回ったらしく、当時の製本された外観も知ることができる。

重力波実験の歴史は短くはない。本書から読み取れる当時の各国の実験計画と進捗具合、予算の見込みと当時の人的資源から察するに、当時から勝ち目はまるでなかっただろう。なぜ逆転を信じて戦いを始めたのだろうと思ったので、経緯を調べてみた。日本におけるレーザー干渉計による重力波研究の第1歩は1988年9月に開催された京都大学基礎物理学研究所モレキュール型研究会「重力波天文学」とされ、1989年度から早川幸男代表の総合研究 (B) によって本格的な検出装置の概念設計が始まったらしい。そして、日本の近代史で習うように、その直後に日本のバブル経済は崩壊した。つまり、高度経済成長を体験した人たちが夢のある計画を始めたのであり、バブル崩壊後しか知らない私には理解できそうもない思考に基づいて始まったのだと分かった。もっと早い段階で日本の現実を受け入れて、地下に観測装置を作るなどの独自性は捨てて、欧米と協力して4点同時観測のために尽力した方がよほど科学に貢献できたと思う。

実験部分は多くの著者によって書かれている。いかに記しておく。
第1章 序論(中村卓史)
第2章 重力波(中村卓史)
第3章 重力波の生成(中村卓史) 
第4章 重力波の源(中村卓史) 
第5章 検出対象と方法(大橋正健)  
第6章 レーザー干渉計(三尾典克) 
第7章 要素技術  
 7-1 レーザー(植田憲一・三尾典克・大橋正健) 
 7-2 防振(河邉径太)
 7-3 制御(河邉径太) 
 7-4 真空系(堀越源一)
 7-5 鏡(大橋正健) 
 7-6 リサイクリング(三尾典克) 
第8章 他の重力理論と重力波(前田恵一) 
補遺A ガウシアンビーム光学(森脇成典)
補遺B 宇宙レーザー干渉計(河島信樹) 
補遺C 光学シミュレーション(佐々木明)
付録(中村卓史)

書評も書かれている。
『パリティ』14巻2号、評者:藤井保憲氏
『日本物理学会誌』53巻12号、評者:小嶌康史氏
『天文月報』91巻9号、評者:高橋竜太郎氏

理論の部分については一般相対論の入門を終えた4年生でも読み始められると思う。

2024年6月1日土曜日

中村三尾大橋ら「重力波をとらえる : 存在の証明から検出へ」を眺めた

中村卓史, 三尾典克, 大橋正健編「重力波をとらえる : 存在の証明から検出へ」、京都大学学術出版会, 1998年

を2時間眺めた。102ページまで進んだ。