キッテル「固体物理学入門」2005年、第8版、丸善出版
を眺め終えた。
この本は固体物理学の初等的な入門書である。
量子力学と統計力学を一年間勉強した後、
つまり大学3,4年生が読むのが適切な本である。
物理的直感に基づいた解説が768ページにわたって述べられている。
典型的なアメリカの本。
70年間アメリカの固体物理学の教育は世界一だったのだろうと思わせる一冊である。
学生は固体物理学の講義を受けながら、
その週の講義の内容をこの本で予習、復習し、
講師が指定した章末の問題を宿題として解く
という風に使うことを想定しているのだろう。
200~300頁の教科書が好んで使われる
日本の講義スタイルとは合わないかもしれない。
自習書として読むには、
22章あるので、毎週一章ずつのペースで読んでいくのがよかろう。
分からない一行を理解するために何時間も粘るのではなく、
一定のペースで固体物理学の全体を学ぶのに適しているのかもしれない。
別の本で特定の話題の詳細を詰めるのは次のステップだと割り切って、
この本を信頼し読み通してみるのが良いと思う。
各章の詳細は、この本を通読した後で、
もっと専門的な本で詰めるのがよさそうである。