安藤正樹、白水徹也(編集幹事)「相対論と宇宙の事典」朝倉書店、2020年
を眺め終えた。
74人の著者による。相対論と宇宙の事典。
一般相対論の入門書によく出てくる話題+高エネルギー天体物理学の話題といった内容。時代を感じさせることになるものがかなり含まれており、最近初観測されたものや流行りのある修正重力や量子重力などは10年もすると時代錯誤な本になるだろう。かなり前に研究から引退している著者もそれなりにいるようで、出版時にすでに古いと感じるものもかなり含まれている。著者ごとに難易度が全然違うので、著者の名前を見てどのような研究をしている人か知っていたり、読む前にすべての内容を一通りかじったことがないと読者にとって非常にフラストレーションがたまる本だと思う。本書の企画に対して、著者の考えが統一されていない気がする。入門書レベルを超えた、目からうろこが落ちた内容(例えば、ヌル的無限遠方での質量と空間的無限遠方での質量の違い)もあったので、楽しみ方は読者ごとにあると思う。