渡辺悠樹「量子多体系の対称性とトポロジー」サイエンス社、2022年
を眺め終えた。
渡辺悠樹氏は2015年にカリフォルニア大学バークレー校で博士号をとった若手の物理学者であり、
現在は東京大学の准教授である。
著者略歴によると専門は物性理論とあるが
素粒子物理学と物性理論の両方から学び
素粒子物理の研究者とも共同研究を行うという
ユニークなスタイルと視点に基いた
スマッシュヒットした研究を行っているようで、受賞も多い。
対称性から量子多体系の様々なモデルを統一的に理解したいという
著者のユニークな野望が本書を貫いている。
本書の価値がどうなるのかは、今後の物性理論のどのように発展するかにかかっていると思う。
私は物性物理のことをほとんど何も知らないために、細かいことは分からなかったが
本書で紹介される様々な具体的なモデルを知ることは単純に面白かった。