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2024年3月15日金曜日
湯川「科学者のこころ」を読んだ
湯川秀樹「科学者のこころ」 朝日新聞社、1977年を読んだ。
湯川秀樹自選集(全5巻)から朝日新聞社図書編集室の編集部が選んで本にしたものである。湯川秀樹は偉大な物理学者である。しかし、この本は面白くない。話題は年寄臭い。いかんともしがたい細切れの文章の連続。湯川秀樹が教養ある人であったということはわかるが、この本全体が語りかけるものはない。全集のダイジェスト以上の価値はない本である。朝日新聞社が悪い。
2024年3月14日木曜日
2024年3月13日水曜日
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2024年3月11日月曜日
2024年3月10日日曜日
羽田野井村「非エルミート量子力学」を眺め終えた
羽田野直道・井村健一郎「非エルミート量子力学」講談社、2023年
を眺め終えた。
羽田野氏は第14回久保亮五記念賞受賞者でもあり、非エルミート量子力学の先駆的な研究者として著名である。ごく最近、非エルミート量子力学に関する研究が国内でも流行っているということは知っているが、本書は話題の流行に関するものではなく、羽田野氏や他の研究者によって研究された流行前の非エルミート量子力学の入門書である。井村氏は5.5節と最後の6章が担当し、それ以外は羽田野氏が担当し、文責は羽田野氏にあるとのことだ。
本書の10ページのさわりを知りたければ、「羽田野 非エルミート量子力学」で検索すると
羽田野氏の物性若手夏の学校テキスト
が見つかるだろう。最近の非エルミート量子力学の研究について知りたければ、「開放系 非エルミート量子力学」で検索すると最近の博士論文が手に入るはずなのでそれを読むと良いかもしれない。すぐに見つかるので、本当に流行っていることが実感できる。
本書は非常に丁寧に書かれている。羽田野氏は非エルミート量子力学の研究が受け入れられずに苦労されたようで、批判に対する答えや研究の動機付けに多くが割かれている。心理的な抵抗なく開放系の量子力学を研究を始める若い人もいると思うので、そういう意味では本書の雰囲気は年寄り臭く、最新の研究とはギャップがあるかもしれない。(最後の6章でギャップを埋めようと努力していることは分かる。)Mathematicaでの複素固有値の数値計算の方法など実践的なテクニックも扱っている。
通常の量子力学を学んだ直後から本書は役立つと思う。本書の内容と通常の量子力学と対比することで、通常の量子力学のことも深く理解できるようになると思うので、4年生から読み始めると学ぶこととが大いにあると思う。しかし、4年生では理解できないことも多い。特に6章を理解するには、かなりの予備知識が必要である。
2024年3月9日土曜日
2024年3月8日金曜日
藤井「重力とスカラー場」を眺め終えた
藤井保憲「重力とスカラー場」講談社、1997年
を眺め終えた。
修正重力理論の業界では常識とされているが
研究を始めたばかりの卒研生や大学院生には謎のスカラー場について
丁寧に書かれた本。古い本なので最新の研究のネタが見つかるわけではないとおもうが、
スカラー場を研究する面白さや動機が丁寧に書かれている。
卒研生はそもそもスカラー場を使って一般相対論を修正する理由が分からないまま
卒研を終えることが普通なので、とても良い本だと思う。
些細な誤植はかなり多いが、一般相対論で類似の計算をしていれば、本書の計算は楽に追えると思う。
指導教員や業界の研究者はBrans-Dicke理論、ディラトン理論、共形変換、非最小結合、物質結合、スケール不変性、Jordanフレーム、Einsteinフレームという謎の言葉を説明なく使うと思うが、本書を読めばすべての用語が理解できて、すっきりするだろう。
素粒子の話題もちょくちょく書かれている。それらをあまり気にしないのであれば、一般相対論の入門を終えた4年生あたりがちょうど良いレベルの本である。本書内の素粒子の話題もちゃんと追いかけようとすると、素粒子の標準理論を理解していないといけないので、修士課程か博士課程の院生レベルだと思われるが、私はそのレベルには達していないので、そんなことを判断する資格はないと思う。
2024年3月7日木曜日
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