北山哲「銀河団」2020年、日本評論社
を眺め終えた。
実際の銀河団の研究がどうなっているかわからないので、
非常に感想を書きづらいが、
銀河団を勉強する人が身に着ける基礎的な物理の理論をまとめた本。
私にとっては、この本で説明されている物理過程は
ほぼすべてどこかで勉強したことある。
しかし、通常、これらの内容は複数のテーマの本を読んだり、
様々な授業やゼミで勉強するものであり、
250ページにまとめた和書というのは
いままでに見たことがない。
(洋書では、本書の内容を一冊の本で記述したものもあるのかもしれない。)
おそらく、この本の最大の意義は
銀河団の専門家が、銀河団を理解するためには
これだけのことは最低限勉強しておくべきだと
一冊の本として明確に示したことであろう。
実際に新たにこの分野に参入する学生にとって読みやすいかどうかは不明である。
私はぺらぺらとページを繰っていると今までに見たことのない
内容の組み合わせに新鮮味を覚える。とても面白い本だと思う。
大学4年生ならば、読めると思う。