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戸谷「爆発する宇宙 : 138億年の宇宙進化」を読んだ
戸谷友則「爆発する宇宙 : 138億年の宇宙進化」講談社、2021年
を読んだ。
ブルーバックスである。 全体で10章あるが、最初の8章と10章は主にビッグバン宇宙論、超新星、ガンマ線バーストに割かれている。第9章はごく最近の戸谷さんの研究の話題として高速電波バーストが扱われている。天文理論の専門家が書いたおおむね良い本だと思う。悪い点としては、脱線があまりにも多くて長い。気が付いたら脱線しており、脱線中に気を抜くと本筋を見失って、迷子になる。
確かに私が学生だったときは、専門家は超新星爆発のシミュレーションが爆発しなくて困っていたし、ガンマ線バーストも起源が謎なので専門家は困っていた。戸谷さんを含んだ専門家が言うように、最近の10年ほどでこれらはおおよそ解決したらしい。本書ではこれらの分かっていなかったことがどのように解決されたのかということが書かれている。個人的には戸谷さんと問題意識を共有出来て、興味を持って読めた。しかし、このような説明の仕方に満足するのは戸谷さんから私までの中年以上の老人だけであろう。今の若者やこれから天文を志す人たちは、天文の勉強を始めた初期のころからから超新星爆発のシミュレーションはうまくいっているし、ガンマ線バーストの起源も知っているので、この本を興味の持てない古文書のような本だという印象を持つかもしれない。
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ホーキング・エリス「時空の大域的構造」を眺め終えた
スティーヴン・W・ホーキング、ジョージ・F・R・エリス「時空の大域的構造」2019年、プレアデス出版
を眺め終えた。
原書は1973年出版のThe Large Scale Structure of Space-Timeである。
二人いる著者の貢献度は分からないが、著者の順番はアルファベット順ではないので、(論文ごとに著者の順番の意味付けは異なるし、本と論文の著者の記載の文化は異なるかもしれないので、あまりあてにならないかもしれないが)Hawking氏の貢献の方がEllis氏よりも大きいと読める。ホーキング氏とエリス氏はともにシアマ(Sciama)氏の弟子である。前書きには本書の一部はHawking氏のアダムス賞の対象となった小論文に基づいていること、アイデアの多くはペンローズ氏とジェロッチ(Geroch)氏によるものであり、彼らのレビュー論文を参照しているとも書いてある。なので、本書を正しく評価するにはそれらのレビュー論文やそこで引用されているであろう大量の原論文を読み込む必要があろう。そのような地道な研究を科学史の専門家に期待する。ちなみにアダムス賞のウェブサイトには1966年の受賞者はPenrose氏で追加受賞者はHawking氏とNarlikar氏と書いてあり、Penrose氏は2020年にノーベル物理学賞を受けたことでも有名である。一般相対論の入門書では原書は専門書として勧められていることが多い。本書は数理的な傾向が非常に強い。しかし、数理的な話題で閉じているわけではなく、それらを物理現象と結び付けて興味深い結果を手繰り寄せる力強さを感じる。
1950年代にイギリスでは定常宇宙論で有名なフレッド・ホイルが連続ラジオ講演で一般に知られており、ホーキングとペンローズにも一般相対論の研究者となるきっかけをあたえた。学生の時に純粋数学のトレーニングを受けていたペンローズはホイルの宇宙論に興味持ったことでシアマと交流を持った。シアマに物理学へと引き込まれたペンローズは物理学に役立つと思われていなかったトポロジーを物理学に導入することで全く新しい分野を切り開いた。その後、ペンローズやジェロッチやシアマの弟子であるホーキングやエリスらが整備していったものが時空の大域的構造と呼ばれるものであり、本書で書かれていることである。1章はイントロダクション、2章は一般相対論で使う微分幾何、3章は一般相対論のラグランジアンや場の方程式、4章は測地線やエネルギー条件、5章は厳密解、6章は因果構造、7章はコーシー問題、8章は特異点定理、9章は重力崩壊とブラックホール、10章は宇宙の初期特異点について触れられている。
訳者は富岡竜太、鵜沼豊、クストディオ・D・ヤンカルロス・Jである。訳者のことは詳しく知らないし、各訳者がどのように作業をしたのかも分からない。ところどころ訳者の中途半端な知識に基づいた訳者注が入っている。ホーキングとエリスが書いた文章と読み手である私の間に訳者が存在することも私は気に入らない。自明なtyposも散見される。しかし、ざっと眺める分には英語よりも日本語の方が精神的なハードルが低いという読者もいるだろうから本書の役割がないわけではないと思う。
一般相対論の専門家のための本であるので、この方向に進む大学院生が読む本であろう。
2024年12月2日月曜日
2024年12月1日日曜日
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