中野董夫、「相対性理論 (物理入門コース 9)」 1984年、岩波書店
を読み終えた。
本書は力学や電磁気学を勉強した学生を想定しており、
大学2年生ぐらいで読むのが最適。
特殊相対論の本はそれぞれにくせがあって
最後まで読み通すことはなかなか難しいが
本書は読み通すことが可能という意味で大変優れた本。
一般相対性理論のことも少し書いてあるが、
あまり気にせず、本書は特殊相対性理論の本
だと割り切った方がよいと思う。
一般相対性理論のことを勉強したければ、
別の本で勉強すればよいと思う。
著者の中野董夫は素粒子の研究で有名な物理学者。
一部の研究者に閲覧が認められているというスウェーデンの王立科学アカデミーの
ノーベル賞の選考資料によるとノーベル物理学賞の候補にも挙がっていたらしい。
このようなすごい物理学者が書いた本書のような
特殊相対性理論の初心者向けの日本語の教科書があるということは
日本語で物理学を学んでいるすべての学生にとって幸せなことだと思う。