超新星爆発のニュートリノ観測でノーベル賞を受けた小柴氏のインタビューをもとにした本。非常に読みやすい。カミオカンデの観測から30年以上たったが、観測当時に匹敵する超新星爆発の観測はなかった。小柴氏は運が良かったのだ。
実験物理学者は理論物理とは全く異なる能力が必要とされていることがよくわかる。実験とは縁がなかった私から見て、この本に書かれている実験物理学者は怖い。
物理の理論の詳細はほとんど書いていないが、実験物理や物理周辺について興味深いことがいろいろと書いてある。例えば、当時はアメリカと日本の給料が20倍違ったらしい。(それほど若くないが)私を含めて若手と呼ばれる世代は、日本の給与がアメリカの最低賃金に満たないなど日米の差に愕然としているが、昔と比べると差は縮まっているのかもしれない。もっと希望を持って良いのかもしれない。