柴田大「数値相対論と中性子星の合体」2021年、共立出版
を眺め終えた。
一章では、重力波天文学のごく短いまとめがあり、
二から四章で、この薄い本の主題の一つである数値相対論の技術的な要点が述べられる。
五章では、もう一つの主題である二つの中性子星の合体と中性子星とブラックホールの合体の理論的な研究のレビューが行われ、
最後に展望が述べられている。
この本で扱われているテーマは、著者のグループが研究している主要なテーマとほぼ等しいと思われる。
この本を読んでも、当然数値計算ができるようになるわけではないという意味では、あまり役に立つ本だとは思わない。
日本で、この本で議論されているような研究がしたければ、現実的には著者のグループに入るしかないと思われる。
5章の内容は多くの人が知っておいて損はない。
この本は一般相対論の入門を終えた
大学4年生以降の学生に適切な本だと思われる。