2020年9月15日火曜日

冨樫義博「幽遊白書18巻」を読んだ

冨樫義博「幽遊白書 18巻」1994年、集英社

を読んだ。

第39回小学館漫画賞受賞作。序盤は車にひかれる子供を助けて死んだ不良少年が、霊界の試練を受けて生き返り、妖怪に関わる事件の探偵をするというストーリー。それからはバトル漫画になり、最終巻の19巻では作者はやりたい放題やる。

バトル部分では師匠の格闘仲間、霊界探偵の先輩、食人鬼の父親という悲しみの溢れたおっさんらとのバトルを繰り返していく。おっさんたちは共通して人間界と魔界を隔てる壁に穴をあけたいとか、魔界、人間界、霊界の全てで一つの世界なのだとか常識の枠を超えたことを考えている。最終的に壁は取り払われる。

子供の時に初めて幽遊白書を読んだときは最終巻の終わり方にショックを感じた。特に最後の20ページのイラスト。当時は言葉にできなかったが作者がこの漫画を嫌いだと感じて、そのことを受け入れられなかったのだと思う。

18巻は父親の妖怪が始めてまともに会話をする。会話の終わりに父親が死に、それが遺言だったと主人公は気づく。実生活で遺言を聞いたことがないが、これは壮大な遺言だと思う。