2019年6月15日土曜日

ベル「数学をつくった人びと」を読んだ

E.T.ベル (訳)田中勇 銀林浩 「数学をつくった人びと」 東京図書、(1962年、1963年)、東京図書(1976年、1997年)早川書房)を読んだ。

原著はアメリカで活躍した数学者のベルによって1937年に書かれた。最初の訳書は数学新書として4冊に分けられ、その第一分冊は1962年に出版された。その後、2分冊として1976年に出版、1997年に再出版された。

さらに2003年に出版社を変え、3分冊の文庫版として出版されたよう。私は図書館にあったぼろぼろの4分冊のものをよんだ。

内容は29章あり、各章ごとに以下の数学者の生涯を紹介している。ツェノン、エウドクソス、アルキメデス、デカルト、フェルマ、パスカル、ニュートン、ライプニッツ、ベルヌーイ、オイラー、ラグランジュ、ラプラース、モンジュ、フーリエ、ポンスレ、ガウス、コーシー、ロバチェフスキー、アーベル、ヤコービ、ハミルトン、ガロア、シルベスター、ケイリー、ワイエルシュトラス、コワレフスカヤ、ブール、エルミート、クロネッカー、リーマン、クンマー、デデキント、ポアンカレ、カントールと多くの数学者が取り上げられる。

訳書が長年にわたって何度も再出版されていることからわかるように、この本には他の本には代えがたい魅力がある。最初の方は少し退屈かもしれないが、そこで読むことを諦めなければきっとお気に入りの数学者が見つかるだろう。原書が世に現れてから一世紀近くたっても、読む価値のある、面白い本といえる。