2018年11月15日木曜日

ハーディ「一数学者の弁明」を読んだ

一数学者の弁明  G. H. ハーディ 著、 柳生孝昭 訳  (みすず書房、1975年) 
ある数学者の生涯と弁明 G. H. ハーディ、C. P. スノー 著、 柳生孝昭 訳  、(シュプリンガー・フェアラーク東京、1994年)、(丸善出版、2012年)を読んだ。

ハーディの薄い本。原書は1940年に出版された。翻訳は1975年に出版され、全面的に訳が改訂されタイトルを変えたものが1994年に出版され、2012年に出版社を変えて再出版された。薄い本にありがちな2部構成となっている。

ハーディによる第一部「ある数学者の弁明」では数学の正当性が数学者らしい実直な文章で語られる。弁明するための言い訳から始まり、ハーディの自伝で締めくくられる第一部は永く読み続けられてきただけあり、読みごたえがある。

薄い本では体裁が悪かったのか、本文と同じくらいの長さのスノーによる序文「ハーディの思い出」がついてる。日本語訳版では序文は第二部となっている。

全ての読者に心地良いとは言えないかもしれない本。でも独特な本なので、一読の価値はあるかもしれない。