池内了「知るを楽しむ この人この世界 禁断の科学」2005年、NHK出版
を読んだ。
NHK教育テレビでやっていた番組のテキスト。番組の内容をそのまま文字にしただけであろう本である。原子爆弾や原子力発電について物理学者である池内氏が批判的に解説していることが主な内容である。池内氏は技術の専門的な詳しい内容を知らないだろうから本当の専門家からみると池内氏のつめはかなり甘いだろう。現場で働く本当の専門家が立場上自らを含んた体制側について批判的な意見を言うことは多くの人を巻き込んだ自殺的な行為であるため、批判的な意見が出されることは決してないだろう。公の組織であれ、私的な組織であれ、そのように方向性が硬直してしまっている組織は自浄効果を持たないだろう。したがって、池内氏の主張するような意見が多少未熟な部分があるにしても、それを許容することは社会全体として健全な態度だと思う。池内氏の些細な技術的な間違いを己の組織の目的を達成するためだけに上げ足を取るような組織がいるとすれば、非常に危険な組織だと思う。