を読んだ。
東京理科大学維持会の会長の酒井陽太氏が数学者で東京理科大学栄誉教授の秋山仁氏から東京理科大学設立者の一人である寺尾寿は数学の業績もあると言ったことを聞き、維持会レターというものに1000字程度のコラムを依頼したところ、秋山氏が9章の原稿を2,3か月後に持ってきたので、書籍にしたとのこと。
本書ができた経緯からか、内容は薄く広く各章に散らばってしまっている。読み通しても、寺尾氏の本業の天文学の研究と教育の成果などはよく分からなかった。本書では寺尾氏の数学教育の側面が強調されているように感じるが、それがかえってバランスを悪くしているのかもしれない。専門家が書く数年以上の時間がかけられ、新規のインタビューや新資料に基づく、研究成果としての天文学史や物理学史や数学史の本と比べると、本書は薄い同人誌といわれても仕方がないと思う。それでも、他に寺尾氏について、まとめた本格的な本がないのであれば、本格的な記事への橋渡し的な役割が本書にはあると思う。