スティーヴン・ホーキング(著)、青木薫(訳)「ビッグ・クエスチョン : 「人類の難問」に答えよう」、 NHK出版、 2019年を読んだ。
原書は「Brief Answers to the Big Questions」というタイトルで2018年に出版された。本書はホーキングの完全な書下ろしの本ではなく、これまでの講演、インタビュー、エッセイなどの原稿をまとめたものである。スティーヴン・ホーキングは本書のことを知ってはいたが、本書が本になる前の2018年3月14日に死去した。
始めに俳優のエディ・レッドメインの序文が書いてあって面食らうが、ホーキングについての映画の主演とのことである。あとがきはスティーヴンの娘であるルーシー・ホーキングが父親の葬儀や思い出について書いている。解説ではキップ・ソーンが、スティーブンとの思い出、1974年から1975年の1年間にホーキングが家族と博士課程の学生を連れれカルテクに1年間加わったことや重力波のプロジェクトについて書いている。翻訳者である青木氏のあとがきもおまけとしてついている。
本文は、ホーキングの自伝的な文章、宗教についての文章、ブラックホールなどのホーキングの研究に関する文章、AIなどの最近の話題に関する文章などで占められている。これは完全ンに編集がとても丁寧で、よくできているからだと思う。また、ホーキングが最初から最後まで主導的に、この著作を書きおろしたわけではないことも、一般の読者にとって読みやすくなっている一因だと思う。実際に一般相対論や量子力学や宇宙論が主なテーマであるホーキングの他の本と比べれば、本書は全体として、かなり読みやすい。良い本だと思う。